脳活アロマ
『アロマの香りをかぐことで、うっかりを予防』
2003年に、アメリカでは、「アルツハイマー病においては、記憶が障害される前に、嗅覚が障害される」と論文を発表した医師がいました。この論文では、アルツハイマー病14人中12人に、嗅覚障害が認められたそうです。
日本にもこの事実に気づき、嗅神経を効果的に刺激すれば、認知症を改善できるのではないかと、考えた医師がいます。それが、30年以上認知症の臨床と研究を続けてきた、日本における認知症アロマセラピーのパイオニア的存在である鳥取大学の浦上克哉教授でした。
嗅神経は、もともと他の脳神経より、再生能力が高く、適切な香りによる効果的な刺激で機能が回復しやすいといいます。嗅神経が正常に戻ればそれに連動している海馬も活性化し、おのずの認知症は、改善に向かってく、というメカニズムの発見が、「アロマは、認知症予防に効く」といわれるようになった理由なのです。
精油の香りが嗅覚を刺激すると、香りの信号が、脳に伝えられ、自律神経をコントロール。
身体の機能が整うので、認知症の中核症状の改善につながります。
また、アロマには、心地よい香りが脳を刺激し、
「楽しい記憶をひきだす」「リラックスできる」
「悲しみにたえられるようになる」など心理的な効果も期待できます。これが、認知症の周辺症状を軽減する、心の問題に働きかけるのです。
《 アロマを活用するときの留意点 》
・精油をつかう
植物から、抽出された100%の混じりけのないピュアオイルのことです。
化学合成物でつくられたものもありますので、ご確認ください。
・日中と夜で、配合成分を区別する
認知症予防には、きちんとした食事や適度な運動、質の良い眠りを得て、規則正しく生活することが効果的といわれています。人間は、だれもが、昼は「交感神経=体を活発に活動させる」、夜は「副交感神経=ゆったりとした気分にさせる」と呼ばれる2つの自律神経を切り替えながら生きています。
生活リズムが整うよう、それぞれの神経の働きを高められるのが、認知症にきく4つのアロマによる組み合わせと芳香時間です。
・昼用(活性作用アロマ)9時~11時
ローズマリー・カンファー:レモン=2:1
午前中に2時間以上香りをかぐ。アロマ用のペンダントを首からさげておくと便利。
・夜用(鎮静作用アロマ)19時半~21時半
真正ラベンダー:スイートオレンジ=2:1
寝る1時間前に使い始め、眠りについてから1時間は、香りに包まれている状態にすると、安眠効果が高まる。枕元に精油をたらしたティッシュなどをおくか、アロマディフューザーを使用するとよい。
《 注 意 》
認知症予防として、注目の集まる療法ですが、においの好みには、個人差があり、それが必ずしも本人にあうとは、かぎりません。ラベンダーには、血圧降下作用、ローズマリーには、血圧上昇作用を促す成分が入っており、それぞれ持病に影響を及ぼす可能性があります。
基本的に、芳香剤として使う場合は、問題ないとされていますが、より安全に気持ちよくアロマを使うために、医師との相談の上、お使いいただくと安心ですね。
身に着けて直接、香りをかぐよりも、芳香浴(ディフューザー・アロマランプ・マグカップや洗面器・ハンカチやティッシュ)から、お試しいただくのもよいかもしれません。
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